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「男装の麗人」に萌えるか否か
私がまったく興味がないまま人生を送っているにもかかわらず、「hisuiさん、あれ好きでしょう?」と誤解される率高めなのが、「宝塚」及び「ベルサイユのバラ」の二つ。
とりたてて嫌いなわけでもないんだけど、ほんっとに関心がなかったのよね。けど、たいていの人に「え、そうだっけ?」と驚かれる。長いことつきあいのあるオタク友達にも「好きだと思ってた」と言われたりする。
私は逆に、女性のオタクにとってそんなにこの二つは標準装備なのかと驚いたり。
でも実は、自分がこれを好きそうだと思われるのもなんとなくわかる気もしたり。
実際私の古いオタ友達にも、ヅカマニアは多い。そんで子供のころに「オスカルさま」好きだった過去があるやつも多い。で、友人たちはヴィジュ好き少女マンガ好きも兼ねている。
だから多分、オタク要素としてはとても近海にいるというか、親戚みたいなもんだと頭では理解できるんだけど……。
宝塚さまは、1ピコグラムも私のオタク琴線に触れない。不思議。
私はマリスミゼルがすんごい好きだったけど、あれなんかもろ「男性版宝塚」だと自分でも思うんだけどなあ。
マリス時代の黒髪長髪のGacktがスモークの中、黒い羽しょって両手を広げて舞台に登場し、ドレス姿も麗しいManaさまの御手をとって階段を降りてくるお約束な舞台演出がたまらん好きでキャーキャー言ってた。ありゃ宝塚以外の何者でもないだろーに。
ついでに私、劇団四季は大好きだったんですよね。もう好きな役者がほとんどいなくなってしまったんで、『ライオンキング』あたりからは観たことないんだけど、10代のころは徹夜でチケット買いに並ぶくらいはファンだった。週にいっぺんは確実に劇場に行ってた。だからまあ相当ミュージカル好きではあると思う。

しかしヅカには本当に不思議なくらい興味がない(実際周りにファンが多かったんで結構観てはいるんだけど)
『ベルサイユのバラ』もアニメも舞台も見たし原作のマンガも読んだことあるんだけど、とりたてて惹かれる部分がなかったなあ。
何が違うんでしょーか。
まあ私がオタクのなかでもより「やおい」属性が強いほうに行ってたと言えばそーなんだけど、やおらーの友達でもヅカ&ベルバラファンは多いんだよね。うーん?

まあ、あれこれ考えたら、私はどうも「男装の麗人」属性がまったくないだけなんじゃないかと思う。
「男装の美女」よりは「美女装の男」が好きなの。


スキャンダルムーンは夜の夢スキャンダルムーンは夜の夢
森川 久美

そんな私が、男装の麗人系マンガで唯一好きなのはこれ。

15世紀イタリア、花のベネツィアの女性元首、男装の美女ヴァレンチーノ公が主人公である『ヴァレンチーノ・シリーズ』。森川久美はこのシリーズの後に連載した中国もの『南京路に花吹雪』が一番人気だと思うのだけど、私はこっちのほうが今読んでも好きだな。
主人公のヴァレンチーノは、長い金髪にすらっと長身の男装の美人で、まさにベルバラのオスカル的キャラクターに見えると思うんだけど、私はオスカルさまは苦手だが、このヴァレンチーノ公はミーハーに大ッ好きだ。そのミーハーさ加減が、まさにマリスミゼルのGackt王子に入れあげてた心境と似てる。

オスカルとヴァレンチーノがどう違うのかと言うとですねえ。
オスカルって、私には女性の中の女性に見えるんだよね。しかも健気で頑張りやで謙虚で控えめで夫を立てる系の(笑)
彼女は好きで男装してるというよりも、父に軍人の跡継ぎである長男として育てられただけで、心の底では女性として生きたいと切望している。実際はたしかアントワネットの恋人のええと……誰だっけ(笑)ハンサムさんに惚れたり、最終的には彼女をずっと見守ってきた乳母の息子のアンドレ君と永遠の愛を誓っちゃったりするわけで、まあ男装してること以外は、極めて典型的な少女マンガヒロインじゃないかと思う。
アントワネットやロザリーに初対面で男性と間違われて「なんて素敵な方」とか思われちゃったりすることはあっても、決して女性と恋には落ちない。せいぜいそれはバレンタインデーに女の子からチョコレートもらっちゃったりする、女子校のアイドルな先輩お姉様くらいのノリだ。
(アントワネットとオスカルが本気で恋に落ちていたら、あるいは結構私好みの話だったのかもしれない/笑)

対してヴァレンチーノ公はと言えば、少女マンガのヒロインとしてはかなり異色だ。
彼女はあくまで自らの意志で男装してるのである。そして彼女の恋した相手は幼なじみの天真爛漫悪女だし、同じように無邪気な悪女の実母にも恋してるかのごときものすごいマザコンだったりする。ヴァレンチーノは小さい頃に異国のお姫様に惚れたり(憧れ?)もしてる。相手、女ばっかりじゃない(笑)
ヴァレンチーノもオスカルと同じくドレスを着れば稀代の美女に化けたりするんだけども、彼女はあくまで基本スタンスが「男性」。だからオスカルのドレスのシーンは「今宵だけは女に戻る」てな話なんだけど、ヴァレンチーノの場合は「きれいな男が任務のために女装する」シーン的で萌えだ。
ヴァレンチーノの周りにも、アンドレ的と言えば言える「影で見守る」親衛隊、クールな錬金術師のアエリア、熱血天然ボケ画家のマーカントニオといった青年たちがいるが、彼らとヴァレンチーノの関係もなんだかあんまり恋愛っぽくないんだな。彼らはヴァレンチーノにそれぞれ深い好意は抱いているけど、どちらかと言えばそれは男女の関係より、男同士のさっぱりしつつもほんのりJUNEテイストな友情に見える。
ヴァレンチーノの性格も魅力だなあ。リボンの騎士的男装の麗人にありがちな熱血正義感にはほど遠い。きれいな顔しているくせに、意地悪でユーモラスで、男にも女にも手厳しいけどどこか甘え上手で。
まあ、なんつーかやおい少女のハートを撃ち抜くには充分すぎるほどの美形「男性」キャラなんである(笑)
『南京路……』の黄子満とも似通った部分があるけど、彼女のほうが、より世をすねてる潔さが男っぽくてカッコイイ。

森川久美さん自身は長年宝塚ファンらしいし、マンガの舞台に選ぶのも華やかな歴史文化世界が多いので、コスチュームプレイな宝塚テイストは濃厚。実際、宝塚で上演された『エリザベート』を漫画化したりしてるので、ベルバラ的世界に影響は受けているんだと思うけども、私には彼女のマンガはどちらかと言えば、ヅカと似てるようで根本的に違う劇団四季のイメージ。
『エリザベート』は宝塚での上演以外に、今では死の帝王トートを元四季の山口祐一郎などの男性キャストで上演されている。ベルバラじゃそれは絶対にあり得ないだろう。
池田理代子マンガじゃなくて森川久美の「男装の麗人」が好きなところが、「ヅカはダメだけど四季ミュージカルは好き」な自分の嗜好に妙にリンクしている感じで、自分では面白い現象です。

よーするにファンタジーな「きれいな男」が好きなんだろうけども、私はどうも、女性役者の演じるファンタジーな美男子にはのめり込めないらしい。あくまで男性が美女装してたり、美少女だったり、現実離れした王子様だったり、そういうヘンテコな世界が好きらしいよ。

森川久美氏の公式サイト→『ドルチェでいこう』
|| 美少女な男 | 23:04 | comments (0) | trackbacks (0) ||









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