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残酷な神が支配する-後半
残酷な神が支配する (10)残酷な神が支配する (10)
萩尾望都

文庫版6巻まで読んで、そのあと最終巻まで出てから買いました。
やっと読み終わった。
つ、疲れた……感想書けないほどに。

なんかもう、「読まねばならぬ」くらいの使命感を背負って読み続けたような気がしますが(笑)、覚悟してたよりもやっぱり重かったなあ。

とにかくこの話、主人公のジェルミと義兄のイアン以外の登場人物たちも、もれなく複雑な環境にあるので、読むのにとてもエネルギーを使う。
これだけの心の問題を抱えたキャラクターを次から次に登場させる話、萩尾望都じゃなかったら、絶対無理。

しかしこの話、本当に終わったのかな……。いや続編があるという意味じゃなく。
萩尾望都の話は「親子関係」が重い、と前にも書いたけど、この話はそれが他の作品に増して深く暗い迷宮状態なので……どうなんでしょう。これはあえて「答えが出ないまま」のラストなのかも。
イアンとジェルミの関係は、一応歪んだ迷路からちょっと抜けだせそう、という光明が見える終わりなのかもしれないけど、ジェルミの抱える問題に関しては、私にはあまりそう思えなかった。

最終巻10巻の解説で山藍紫姫子さんが、「一生解決しないかもしれない」ものの、「そのときをイアンと過ごせるのは、これはもう、ひとつの幸せのかたち」「人生で共犯者を得ること。それも愛のかたちだからだ」と書いているんですが、うーん、私はこれはちょっと納得行かないです。じゃあバレンタインの手紙の意味はどうだったのかと思っちゃうし。

ラスト付近、ジェルミとイアンの会話
生贄として?

そうかもしれない
子供は親の神への供物であり
親の人生の供養として存在するんだ

神は生贄を欲しがっている
なぜなら神の世界もまた
壊れ続けているから

が、頭にこびりついて離れないよ。
まったく怖い話。

私は長年の萩尾望都ファンではありますが、いまだ心に引っかかったまま、読んだときの自分の中の感情がよくわからない作品があって、それは『マージナル』なんですけども。
あのときも「保留」にされた(いや、自分が「した」のか)感じなんだけど、これもそうです。
この自分の中のマージナルな感情の靄を上手く言葉で自分に説明できるなら、私は何か大きな代償を払ってもいい(笑)

やっぱ感想にならないや。
きっとまだまだ萩尾望都ワールドの「親殺し」は、これからも続くんじゃないかなあと思う。
いつまでなんだろう。それこそ一生なのかも。
そしてきっと、私は一生読み続けるんだけど。

イアンの中に満天の星が流れ込んできて、それがまた空に戻っていくシーンがとても美しいです。このへんはほんと、萩尾望都マンガを読む醍醐味というか。舞台的だなあ。
前に、伸たまきの『パーム』を映画的と言いましたが、萩尾望都マンガは舞台的ね。
夢の遊眠社が『半神』を舞台化する前から私は双方のファンだったのですが、その二つが見せる世界の絵にはとても似たものを感じて、そこが好きなんだと思います。

さてやっと『バルバラ異界』を読み始めようかなー。
|| マンガ・小説・ゲーム | 20:57 | comments (0) | trackbacks (0) ||









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